2012年03月09日

NHK『プロフェッショナルー仕事の流儀』

確か毎週月曜日の午後10時からNHKで放映される、『プロフェッショナルー仕事の流儀』を観て、
自分の観察眼の浅さに気がついた。

それは、決して著名ではないがプロとして素晴らしい業績をあげてこられた人たちを描いたレポート番組でした。それぞれが、人生で印象に残っている言葉を伝えておられた。

その時出演した一人で、訪問看護師の女性がおられた。彼女は自宅で終末期を迎えている男性患者の訪問看護を担当しておられた。その男性は寡黙で、何かをしょい込んだ暗さがひしひしと見受けられたらしい。

その男性が以前は「登山」が好きだったので、それになぞらえて、「そろそろ下り坂にさしかかっているのだから、少し肩の荷を下ろされたらどうですか。」と話してみた。

そのとき彼は、普段はほとんど話さない人なのに、小声で「まだ登っている。」と答えた。
彼女は心の中で、「ああこの人は、こう考えているんだ」と思ったといっていた。
「まだ登っているんだ。」と。

テレビでの彼女の話をきいて、私は「この人は前向きな人だなあ」と単純にうけとめた。
私自身も『人生はいつもこれから』を座右の銘にしているので、同じだなあくらいにおけとめた。

しかし日をおいて何度も頭に浮かんでくるその言葉をよくよく考えてみると、とんでもなく浅い理解をしてしまったみたいだ。
彼には妻やまだまだ幼い家族がいた。「死んではいけない、死んでたまるか。まだまだ生きねばならない。」という魂の叫びであり、できることなら生かしてほしいという思いもあったに違いない。
だからこそ、「暗さ」がそとににじみ出ていたのだろう。吹っ切れていれば、そうにはならないだろう。
 家族への愛・責任感。本当に苦しかったのでしょう。

結局は死を迎えることになったが、彼の言葉は、その看護師の胸中に「そういう考えをする人もいるんだ」という感想を釘づけにした。彼女からはそれ以上の説明はなかったように思う。

看護師の観かた、私の観かた、もっと他の観かた。彼の本心。
どれが正しいでもなく、・・・・。

     (syuji)


posted by okumura at 20:33 | TrackBack(0) | 心の響き
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